SPORK! EYE

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 これは、J-School/MAJESTyの学生によるコラムです。日頃の活動のこぼれ話、講義のなかで考えたこと、あるいは休暇中に訪れた旅先で感じたことなど、様々な話題をお届けします。
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伊豆の海を愛して36年 青年時代忘れられずに移住へ

伊豆の海を愛して36年 青年時代忘れられずに移住へ

  宝島社が発行する「田舎暮らしの本」は2010年6月までに32カ月間連続で売上を伸ばしている。「田舎暮らし」は近年ブームになりつつあるようだ(*1)。

  静岡県にある伊豆半島においても例外ではない。「田舎暮らし」について取材中、伊豆の美しい海を求めて東京から移り住んできた男性に出会った。

  下田市在住の木沢裕俊さん(63)は、幼い頃に海をみた体験が忘れられず、ずっと海を追いかけてきた。移住してしまうほど、伊豆の海にたいする思いはどこからくるのだろうか。

―移住を決めるまでの経緯を教えてください。

  会社に入ってから同じ会社の仲間と下田の吉佐美に別荘を借りました。ドライブや釣り、サーフィンなどでみんなそれぞれ楽しんでいました。夜は中庭でバーベキューして盛り上がって、あとは男も女も関係なく雑魚寝です。そういうのが楽しかったんですね。

  結婚して子どもが出来ると、伊豆高原に別荘を建てました。現在から22年前の話です。でも、吉佐美でみんなと借りた別荘ライフが忘れられませんでした。それで50歳を過ぎた頃、下田に移住をする計画をたてました。最終的に現在の別荘を探すまで、9年かかりました。

―なぜ伊豆に移住をしようと思ったのですか。

  とことん海が好きだったからです。伊豆の海って変化に富んでいるんです。世界と比較してみても相当美しいんじゃないかって思ったんですね。それが東京から通える範囲内にある、というのが魅力的でした。

―なぜそんなに海が好きなんですか。

  海ってやっぱりかっこいいじゃないですか。かっこいいっていう切り口があるから好きなんですよ。ぼくたちの世代って団塊の世代なんです。海外の文化がどんどん入って来て、若者が自分から新しい文化を発信していく時代に少青年期を送っていました。つまり、かっこいいものに対するライフスタイル全般にすごく敏感だった時代だったんですね。ぼくたちはもともとかっこよさなんてなかったわけです。アメリカのテレビや雑誌をみたりして、海外から入ってくるかっこよさを必死に吸収しようとしていったわけなんですね。ぼくの場合は、そんなかっこよさを表現できる一番の選択肢として伊豆があったんです。

―現在どのような生活を送っていますか。

  毎日、朝と晩に2回飼い犬と散歩をして過ごしています。ルーティンとしてそれをやると生活のバランスがとれるんですよ。もし飼い犬がいなかったら相当いい加減な生活になっていました。犬の散歩を通して地元の人々と知り合うようにもなりました。犬は最高のコミュニケーションツールなんです。

―生活をしていて大変なことはありますか。

  大変なことはありません。伊豆に36年間ずっと通っていたので、昔から住んでいるようなものなんです。大変なことはあったかもしれませんが、それはもう途中で全部経験したんだと思います。東京から伊豆へ通っていた生活が現在まで続いていて、退職してこっちへ移住してきた、というだけの話です。

―どうもありがとうございました。

  筆者がこのインタビューを通して学んだことは、ひとつの夢をずっと追いかける人の「かっこよさ」だ。木沢さんが伊豆という地に人生の大半を費やすことができたのは、海が好きだったから。それも「伊豆の海」の美しさに魅かれたからだ。

  木沢さんの「海が好き」という言葉には、36年も伊豆の海を愛し続けているからこその言葉の重みが感じられた。同時に、木沢さんの「かっこよさ」はその言葉にすべて詰め込まれている。

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【執筆・撮影: 松本圭司】

 

「メモ」

田舎暮らしをしたい!という人のために、伊豆半島では移住交流居住が行われている。

静岡県賀茂地域支援局では2006年に「里山生活応援クラブ」を設立し、移住希望者に対して支援を行っている。

「参考ウェブサイト」

静岡県賀茂地域支援局「里山生活応援クラブ」

http://www.pref.shizuoka.jp/soumu/so-810/koryukyoju/club.htm

宝島社「田舎暮らしの本」ウェブサイト

http://tkj.jp/inaka/

(注1)

MSN産経ニュース「田舎暮らしの本」が人気 都会人の「夢から現実」を反映 (10/07/31閲覧)

http://sankei.jp.msn.com/culture/books/100621/bks1006210750001-n1.htm