お正月と聞けば日本人は、初詣やおせち料理と言った楽しい行事とともに、鬱陶しい帰省ラッシュのことも思い出すだろう。しかし、中国の旧正月における帰省ラッシュは、日本の比では無い。毎年、深刻な帰省ラッシュに悩まされている中国では、今年から鉄道チケットを実名で購入する制度を試行することになった。
ここ数年の、旧正月の帰省ラッシュ報道からすると、事態は極めて深刻である。一箇所に多くの人々が殺到することにより、死傷事故すら起こっている。これに対して、中国政府は旧正月になると、兵士を地方の駅に派遣し秩序を守らせることにしている。だが、交通ラッシュを根本的に解決する方法は無いのだろうか。
旧正月の交通ラッシュを引き起こしている根本的な原因を探すと、中国の中小都市の就職問題を取り上げざるを得ない。中国では、大都市は急速に発展しつつあるが、中小都市は、まだ落後状態にある。中小都市では、もともと労働賃金が安く、また就職チャンスも少ない。そこで人々は大都市に行ってお金を稼ごうとする。したがって、国定の休みの前は、必ず帰省ラッシュが発生するのだ。
安全で料金の安い鉄道は、人々の主要な交通手段となってきた。すでに見てきたように、旧正月を迎えるたびに、汽車運営局も政府も、周到な準備をせざるを得ない。「ならば中小都市の開発に力を入れて発展させ、大都市とのバランスを取れるように努力すればいい」という意見は、絶えずネット上で流通してきた。
実は、中国政府は2000年から中西部の開発事業に力を入れ始めている。今年でちょうど10年目で、成果もいくつか挙がってきている。しかし中西部はあまりに広く、まだまだ発展からは落後状態にあり、この巨大なプログラムを完成するには、まだ30年もかかると予想されている。しかしいずれこの計画が完了した暁には、「春節の帰省ラッシュ」も昔話になっていることを期待したい。
【劉佳薇】
![]()