2004年の日本映画「クイール」(崔洋一監督)は、同年に中国でも上映され、観客たちの大きな感動を呼んだ。少し悲しいストーリーにも関わらず、多くの人々が何回も劇場に足を運んでは、涙をこぼした。そして、中国人はこの映画から、「盲導犬」という存在を認識し始めた。しかし日本と違って、中国の盲導犬事業はまだまだ苦境にある。
私が日本に来て、初めて盲導犬を見たのは浅草寺だった。ある視覚障害者のかたが盲導犬を連れて、落ち着いて歩いている姿だった。その後、盲導犬を見る機会は増え、東京はもちろん、大阪に行ったときも、地下鉄で盲導犬を見た。中国には20年以上暮らしていたのに、残念ながら、テレビ以外で盲導犬を見かける機会は一回もなかった。こうして私は、自然と日本の盲導犬に興味を持つようになった。
盲導犬は、第一次世界大戦の頃にドイツで誕生して以来、スイス、イタリアなどヨーロッパ各地に広まり、1929年にはアメリカにも本格的な盲導犬訓練学校が開設された。日本で初めて組織的な盲導犬訓練が始まったのは1967年たっだ。
現在、世界には盲導犬が2万頭いる。その中では、米国の盲導犬が半分以上を占めている。一方、日本にいる盲導犬は1000頭ほど。さらに年間120頭が育成されている。制度的には、政府や財団からの援助を得て、一部分の視覚障害者が無料で盲導犬を申し込めるという仕組みになっている。
より重要なのは、日本には日本盲導犬協会を始め、9つの盲導犬の育成組織が存在しているが、それらが国家公安委員会により公認されていることだ。そのため、社会はある犬が盲導犬であるかどうかが公的に判断できる。いったん犬が育成施設を卒業して盲導犬となれば、視覚障害者を援助するために、普通のペット犬が行けない場所にも行けるようになる。欧米ではしばしば「No dogs except guide dogs」という看板があるが、日本の観光地や美術館などでも、いつも「ペット不可、ただし盲導犬を除く」の看板を見かける。つまり、「公的な権力が犬に盲導犬の資格を与え、普通のペットの犬よりも優遇する」という制度においては、日本は欧米と区別がない。
日本には35万人の視覚障害者が存在しているということだから、米国に比べれば、まだまだ不足しているのが現状だ。しかし少なくとも制度から見れば、日本はもう盲導犬の先進国になっていると言っても過言ではない。