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統合失調症患者に憩いの場を

統合失調症患者に憩いの場を

  埼玉県ふじみ野市のごく普通の民家に、統合失調症を抱える人々のための交流の場がある。患者の家族会「ウィズネット」を運営母体とする精神障がい者施設、「ライトハウス」だ。4年前に立ち上げた一人が、施設長の伊藤久子さん(65)。目指すのは、自立を目指す利用者のより所となる「灯台」だ。写真右は施設長の伊藤久子さん、左は副施設長の西山しめ子さん。

執筆・撮影:伊賀幸太
2010.06.30
「一歩を踏み出せる」環境作り

  「できるなら、そっと隠しておきたい」。統合失調症は、幻覚や集中力の欠如などを招く病気だ。家族にすら理解しにくく、偏見を持っている場合も多い。認めたくない気持ちも強い。「このままではいけない。一歩踏み出す場を私達で作ろう」。伊藤さんたちが家族会で呼びかけると、多くの人の共感と賛同を呼んだ。

  「小さな施設で、地域と密着することが大切」。利用者が通いやすい場所に民家を借り、近隣住民の理解を得ることを目指した。だが、大家の反対に苦しんだ。やっと、借りられる民家を見つけるまで、1年を費やした。

 

自立に向けた挑戦の日々

  現在、「ライトハウス」では、5人のスタッフ(常勤1人、家族スタッフ4人)が16人の登録メンバーの支援に当たっている。「まずは、衣食住を自力で行えること、人間関係が作れること」と伊藤さん。料理やパソコン、園芸が得意な女性スタッフが、母親の目線で教える。時には、ゲームをしたり、映画を見て一緒に泣き笑いしたりする。

  施設では、クロネコメール便配達などの仕事も請け負っている。「あなたならできる。失敗してもスタッフがいるから」。スタッフに背中を押されて、メンバーは初めの一歩を踏んだ。最初は地図を見るのも大変だった人が、少しずつ自信を持ち始め、配達を引き受けるまでになった。今度は、その人が先輩として新たなメンバーに教えていく。「メンバー同士のいたわりや成長を見ることがうれしい」。施設長として、メンバーの潜在能力を引き出すことに力を注ぐ。

 

いつまでも、心の拠所として

  「世の中は、1+1=2と計算通りになることを善しとするが、1+1=3に4にも、時には0にもなる。そんな生き方があってもいい」

  障がい者施設の中には、事業を通じて利益や収入を上げることを目指す動きもあるが、伊藤さんは首をかしげる。目指すのは、生きる楽しさがわかる施設だ。

  施設を「卒業」して職に就いたメンバーもいるし、就労へ向けて、「ライトハウス」に通いながら作業所で働く人もいる。だが、一度卒業したら終わりではない。

  「いつでも、具合が悪くなったら戻っておいで」

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【参考ページ】

ウィズネット公式HP: http://music.geocities.jp/natugakureba4677/index.html

ライトハウス公式HP: http://music.geocities.jp/natugakureba4677/light-house.html

※この記事は、10年度J-school授業「ニューズルームD(朝日新聞提携講座)」(林美子講師)において作成しました。