6月号は、「ひと」にクローズアップしたインタビュー記事を中心にお届けします。
東京・代々木に今年4月、アート雑貨の店がオープンした。店長は、サラリーマンを辞めて挑戦する葛原信太郎さん(23)。店は「共有空間」という「アートでつながる世界」を目指す団体の活動拠点も兼ねる。「TetotE(てとて)」という店名には、人と人とが「つながる」ことへの思いが込められている。
1レッスン90分、500円。東京都青梅市で、柳澤弘子さん(48)が主催するダンスサークル「ソシアル」には、50代から80代の約40名が参加する。生徒が自分たちで会場を確保して柳澤さんを招き、柳澤さんは週2回、片道2時間かけて通い続ける。目指すのは、「気軽に行けて輝ける、活気あふれる社交場」だ。
25歳のとき、原因不明の精神病を患っていた妹が死んだ。深田雄志さん(30)が、神戸大学の医学部を卒業し、医療コンサルタントとして働いていたときのことだ。兄として頼りにされていたし、医療の知識もあった。なのに救えなかった。「医者に頼るだけではなく、患者を中心に周囲が支える医療がもしあれば」。痛切な思いを胸に、2007年、任意団体「ブルーバード」を設立し、患者を支えるネットワークづくりを目指している。
4月下旬のある日、地下鉄九段下の駅から靖国神社へ向かう途中。降っていた雨が突然止んだ。「お父さんが『よく来てくれたなぁ』って言っているのかな」。杉本とめ子さん(83)は、そうつぶやいた。靖国神社への参拝という70年来の念願が、この日ようやくかなったのだった。
埼玉県ふじみ野市のごく普通の民家に、統合失調症を抱える人々のための交流の場がある。患者の家族会「ウィズネット」を運営母体とする精神障がい者施設、「ライトハウス」だ。4年前に立ち上げた一人が、施設長の伊藤久子さん(65)。目指すのは、自立を目指す利用者のより所となる「灯台」だ。