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全18閣僚記者会見、その実態は千差万別

全18閣僚記者会見、その実態は千差万別

「Spork!」記者による全18閣僚記者会見への参加要請に、各省庁・記者クラブは様々な反応を見せた。「大臣記者会見の開放」と単純には言えない実態が明らかになった。

J-School「調査報道の方法」取材班
2010.2.16
「大手出版社もダメ」が実情
 首相の「もっと開放」発言の後も変化見えず

●鳩山由紀夫・内閣総理大臣@内閣官房

 鳩山首相は2009年暮れの記者会見で「記者会見の開放に関しては、来年からもっと開放されるようにやるようにと、申し伝えている」と述べたが、その後も今年1月末時点で、総理大臣の記者会見のあり方に大きな変化はない。1月の記者クラブ(内閣記者会)幹事社を務めた読売新聞記者も「首相側からクラブへ、記者会見開放に関する具体的な話は来ていない」と答えた。

 クラブには規約があり、原則として会員でないと会見に参加できないことになっている。参加要請があった場合は毎回協議して可否を決めているというが、「雑誌協会に加盟している大手出版社であっても参加できていない」(読売新聞記者)のが現状だという。

 総理官邸報道室の若尾氏は官邸の警備上の都合を理由に挙げ、「首相が勤務し、海外の要人も来られるため、官邸の警備担当から、『(総理官邸内に)たくさん入れてくれるな』という話がある。クラブから了承されたとしても、(参加は)現状では難しい」と答えた。

 クラブ幹事社の読売新聞記者は「会見の主催はクラブである」と回答した。一方、若尾氏は 「クラブと協力しながらやっているとしか申し上げられない」と答えた。その理由として過去に取り決めた経緯がなく定まっていないことを挙げた。

【松村大行】


クラブ外からの参加要請、内閣府・クラブともども初

●菅直人・副総理兼経済財政政策担当相@内閣府

 菅大臣記者会見について、内閣府報道室の金児氏は、そもそもクラブ外から参加したいという要望がなく、2009年12月15日に行った「Spork!」記者による参加要請が、初めての要請であったことを明らかにした。一方、今年1月のクラブ幹事社の読売新聞山本記者も、「(クラブへの参加の問い合わせは)確認できる限りではないと答えた。

 会見の主催について金児氏は、「明確に定めた規定はないが、内閣府とクラブの共催」と答えた一方、山本記者は、クラブ見解として「主催は私たち」と主張した。

 金児氏によると、「内閣府とクラブの両方が了解する必要がある」という認識のもと、会見場の収容人数や建物警備の観点から参加を拒否したという。一方山本記者は、外部からの参加について、「これまでクラブで具体的な検討を行った経緯はなく、今後も検討する予定がない」と答えた。

【松村大行】


クラブ非加盟でも質問認める
 条件は5団体の会員媒体

●原口一博・総務大臣@総務省

 総務大臣の記者会見を主催する総務省記者クラブは今年に入り、クラブに加盟しない一部の媒体や記者に対して、大臣に直に質問できる正式な参加を認めはじめた。ただし、日本民間放送連盟、日本雑誌協会、日本専門新聞協会、日本インターネット報道協会、日本外国人特派員協会の計5団体のいずれかの会員媒体であることが条件。「Spork!」はこの条件を満たさないため、質問不可のオブザーバー参加となった。

 今後、条件が緩くなる可能性について、今年1月の幹事社(朝日新聞・伊東記者)は、「条件に該当しない記者から『参加条件が厳しい』という声があるので、今後のクラブ総会で条件を見直す予定」と前向きな姿勢を見せた。

【伊藤恵梨】


「単独主催」と「共催」
 主催めぐり見解分かれる省とクラブ
  会見参加は「職業報道人」に限定

●千葉景子・法務大臣@法務省

 法務大臣の記者会見を主催しているのはだれなのか、法務省と記者クラブとの間で見解が食い違っている。「会見はクラブの単独主催」というクラブに対して、省の秘書課広報室報道担当は「記者クラブと省の共催」と切り返す。この状況を省側は「会見の運営には省も当たっている。その働きをどう捉えるかで主催者の捉え方も異なってくるのだろう。ゆえに双方に見解の不一致があってもおかしなことだとは思わない」と説明した。

 会見への参加はクラブが参加者を「職業報道人」に限定しているため叶わなかった。2009年12月に法務省記者クラブの幹事社を務めた朝日新聞の延与光貞記者は、学生ウェブマガジン「Spork!」の取材は「『報道の目的』にあたらないため会見には参加できない」と述べた上で、「『報道の目的』にあたる取材とは、報道の対価として収入を得ている職業報道人の取材を指し、記事の内容は判断材料とはならない」という同記者クラブ独自の基準を示した。法務大臣会見にはこの基準に基づき、すでにフリーランスの記者などが参加している。

【宮前観】


外務省記者会見、「オープンでない」

●岡田克也・外務大臣@外務省

 外務省の大臣記者会見は、政権交代直後の2009年9月に作成された独自のガイドラインに記載された5協会(日本新聞協会、日本民間放送連盟、日本雑誌協会、日本インターネット報道協会、日本外国特派員協会)の会員であることが参加の条件であり、該当しない者の参加を一切認めていないことが分かった。外務省報道課記者会見担当の山内氏が答えた。

 山内氏はインターネット報道協会への加盟を勧めたが、同協会代表幹事の竹内氏は「全ての決定は理事会に一存されている」ため、加盟の可能性は即答できないとした。

 会見の主催は外務省であると、昨年9月29日に岡田大臣が明らかにしている。一方、外務省の記者クラブ(「霞クラブ」)の幹事社である東京新聞政治部佐藤記者は、「明確な認識はしていないものの、共催に近い形として理解している」と答えた。

【付天斉】