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弁護士・四宮啓さんインタビュー

弁護士・四宮啓さんインタビュー

裁判員裁判におけるこれからの弁護活動や裁判のあり方を通してのCGの展望を、今回のシンポジウムの登壇者である弁護士・四宮啓さん(国学院際学法科大学院教授)に伺った。

取材・執筆:前田礼/編集:坂東塁
10.28.2009
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【CGの裁判利用は今まで検討されてこなかった】

――それは、どのような問題ですか?

 

 まず、どこまで認められるかという問題です。証拠として、感情に訴えて裁判員に予断・偏見を与えるものは認められるべきではないでしょう。また、法廷で使用する証拠は分かりやすいことが大事であると同時に、事実に基づくものであることが必要です。事件を特徴付けるものである限り,どんなに細かいディテールも省いてはいけませんし、変容させてはなりません。CGがこれらの要求にどこまで答えられるかが、ひとつの課題となります。また、説明ツールとして使えることになっても、事実を正確に表現しているかどうかを誰がチェックするのかという問題があります。
 今まで鑑定書は文書のみだったのですから、これらはほとんど検討されてこなかった問題です。裁判員制度の三年後に見直しに向けて、議論していく必要があるでしょう。


――ところで、裁判員制度の導入で、一般市民である裁判員が刑事事件の証拠写真を見なければならないことも問題視されています。CGが法廷で利用されるようになると、写真の代わりとして使うことはできるのでしょうか。

 

 写真の意義がなくなることはありません。写真は第一次の証拠、あるがままの事実を伝えるものであり、裁判は証拠に基づいてこそ成り立つものだからです。
  確かにバラバラ殺人事件など極めて残虐な事件で、現実に起こったことであっても証拠写真を全部見せることが却って裁判員に不当な影響を与える、ということが起きる可能性も否定できません。しかしそれは、何を見せるかの問題というより、どの範囲のものをいかに見せるかという問題だろうと思います。

 犯罪はわれわれの社会で起こっているであり、裁判員には、その社会の構成員として実際に起きた事実を知ってもらうことが、正しい判断をしてもらうためには必要なのです。

 

――裁判員裁判におけるCG利用にはまだまだ議論が必要のようですね。


  その議論こそが重要なことであると思います。 
 日本ではこれまで、そもそも裁判報道そのものが少なく、刑事事件の報道は捜査に重点が置かれていました。刑事裁判の有罪率99%という状況下で、裁判の経過がニュースにならなかったのです。しかし本来ならば、逮捕・起訴は、刑事事件の第一ステージにすぎません。第二ステージである公判こそが、国民の自由を制限するにあたって、前段階である捜査を検証する大事な機能を持っているのです。
  裁判員制度の導入によって、公判が一般市民の目にさらされることになりました。裁判のあり方が、国民に広く議論される機会がやってきたのです。CG技術も、そのような議論を提供してくれます。
  裁判員制度は、裁判員、法律家、メディア、裁判を見守る国民、それぞれみんなに新しい貢献を求める制度ですが、自由、公正、責任を果たすために、やりがいのある貢献だと思います。みんながそれぞれ少しずつ汗を流していくことで社会がよりよくなると思います。

 

――最後に当シンポジウムの意気込みについてお聞かせください。

 

 CGは裁判員にとって「分かりやすい法廷」に寄与する新しい技術です。今回のシンポジウムでは、その技術を勉強させてもらうつもりで参加したいと思います。
 記者の上田さんには、CGが裁判員にどれほどのインパクトを与えるかについて、実際に裁判を見ての感想などをお聞きしたいと思います。制作者の瀬尾さんには、CGを作る際に誤りが入り込む可能性の有無、また弁護士が利用する際だれにアクセスすればいいのかについてお聞きしたいですね。

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