白熱した「多事争論」は、パネリスト一人ひとりが、シンポジウムの感想やメディアに対する想いを述べることで、幕を閉じた。
田原 姜さん。多分これが最後の発言になります。
姜 映像の影響力は、湾岸戦争の後に強くなりました。ある意味ではテレビと活字との関係というものが、逆転した面があると思うんですね。例えばサンデープロジェクトを見て、政治部の記者が直ぐに記事を書く。すると、それ自体がもう事件になるわけです。
その結果として、僕の印象では、インターネットも含めて「感情を増幅させやすい」ことの方がメディアとして「ウケる」という雰囲気が出来上がっている気がします。
僕はもう20年くらいテレビに出てます。その中で感じることは、特に「映像メディア」というのは一面において「感情メディア」だなぁ、ということです。そして、その感情の増幅というのが非常に激しいので、逆にこれは取り扱いを注意しないと、これほど危ないメディアもないと思います。
田原 両面ある、と。
姜 両面ありますよね。
田原 ちょっと、ここで姜さんにお聞きしたいのですが、活字メディアと映像メディアの一番の違いは、新聞にしても雑誌にしても活字っていうのは全部言葉になるということです。言葉以外のものは全部なくなる。
姜 そうですね。
田原 ところが映像メディアでは、言葉は表現のワン・オブ・ゼム(one of them)に過ぎないのです。表情もある、目の色もある、声の大きさもある、或いは身振り手振りもあります。だから言葉がワン・オブ・ゼムになるということがありますね。
姜 そうですね。だから、テレビはとりわけ嘘を吐く。しかし一方で嘘を吐くことを徹底して見破るということもあって、この二つはある意味で活字とは違いますね。