はたして、日本のジャーナリズムは縮小してしまうのか。今後のジャーナリズムに求められるものとは。

野村 アメリカのメディアはともかくとして、読売、朝日、毎日、日経などの日本の中央紙を考えて見ますと、かなり通信社的な機能もやってるんですよね。
ですから、新聞社の規模が小さくなり、記者の数が10〜20%減るとしても、基本的に各社が持つ「取材し、発信する」機能は無くならないと思います。
田原 もう少しわかりやすく言うと、アメリカの場合、ニュースは通信社が発信し、新聞は調査報道をする。日本の場合は、ニュースに手間や人をかけている。私は、ニュースはネットやテレビに任せ、日本の新聞はもっと調査報道へ重きを置くべきだと思うんですが、その辺はどうですか?
野村 その通りです。新聞の機能というのはそもそも、事件や事故が起こったとき、その背後や歴史的経緯を分析し、「じっくり紙で読ませる」ことです。テレビのような速報性、現場にいる臨場感はなくても、新聞を読めばより大きな視野で見たときの世界の事柄がわかります。
ジャーナリストがもっと調査報道に精力を注ぐ、そういう時代をもたらさなければいけない。今はまさに、その転換期だと思います。
田原 田勢さんはどう思いますか?
田勢 調査報道と言うと、誰もが賛成するんですけど、実際にはなかなか難しいですね。今の状況では。 朝日新聞には今、どれくらい記者がいますか?7000人くらいですか?
野村 社員は5000人ちょっとで、記者は2500人ちょっと。
田勢 あれ、ずいぶん減りましたね。でもワシントンポストは、500人くらいなもんですよね。
そういうふうに、大勢の記者を抱えているから、「カレンダー・ジャーナリズム」なんですよ。今日、何が起きたか。明日、何が起きるか。それで終わっちゃうんですよね。
調査報道は、空振りをするかも知れないことを掘り下げていく。そうするとどこかで、政治権力や大企業、宗教団体だったりとぶつからないといけない。
しかし、何百万も発行部数を抱えているため、これが新聞の不買運動などにつながると非常に困ります。ですから、体質的に日本の新聞ジャーナリズムは、あらゆる権力に少し弱いところが基本的にあると思いますね。図体が大き過ぎるから。
田原 そういう意味でも、変化が求められている今は、チャンスだと言えますね。
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