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少子高齢化のスパイラル~新宿区戸山地域に見る少子高齢化社会の未来予想図~

少子高齢化のスパイラル~新宿区戸山地域に見る少子高齢化社会の未来予想図~

 早稲田大学戸山キャンパスに近い新宿区戸山2丁目地域と、そこから歩いて10分ほどの百人町4丁目地域は、高齢化率が40%から52%にも及ぶ。全国的に見ても突出した高齢化率である。

 なぜこの地域だけがこれほど高い数値を示すようになったのか。そして日本の高齢化率が20%を超え、なお上昇を続ける中、この地域に少子高齢化社会の未来像を探るべく、そこに住む高齢者の方々、高齢者を支える民生委員、そして行政担当者に話を伺った。

佐藤哲也
5.10.2009
トップ写真解説:高層の団地が建ち並ぶ戸山ハイツ。手前に見えるのが新宿区立東戸山小学校。校舎は緑に囲まれている。区内では唯一、校庭が"土"の小学校だ。


 「高齢者が転倒しても、一人では起き上がれないことがあります。でもそこに頼れる若者の力がないんです」

 2008年5月下旬の心地よく晴れた土曜日。戸山ハイツに住んでまもなく40年になるという今村玲子さん(76)を尋ねると、まずこんな話を口にした。

 今村さんは、8年前にご主人に先立たれ、現在、一人暮らしをしている。週に1度は、それぞれ40代半ばになるという2つ違いの二人の息子さん夫婦と電話をするそうだが、お孫さんも大きくなり、訪ねて来てくれる回数はだいぶ減ってしまったそうだ。普段は駄菓子屋を営みながら、地域の子どもたちとやりとりをして生活する日々である。

 「私自身、昨年12月に転んで手を骨折し、1ヵ月くらい思うように動けなくなりました。20年ほど前には腰を悪くしてますし。力仕事や高い所の掃除などでは、確かに困っていますね」  今村さんはいま、少子高齢化社会における生活の困難さを日常の中で実感している。  

0902reiko.imamura.JPGのサムネール画像
駄菓子屋を営みながら、地域の子どもと触れ合う今村玲子さん。付き合いは高齢者か子どもがほとんどで、新しく入居して来る若い世代とは年代差もあり、あいさつ程度だという。


 平成19年度版『高齢社会白書』(厚労省)によれば、平成18年10月1日現在、人口に占める65歳以上の割合を指す高齢化率は、過去最高の20.8%となっている。今後、いわゆる「団塊の世代」が65歳に到達する平成24年頃からこの傾向はますます加速し、約50年後の平成67年には40.5%、国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者になると見込まれている。

 新宿区に関して言えば、平成19年4月1日現在の住民基本台帳と外国人登録者数を合算した値から算出した高齢化率は18.2%と全国平均を下回るが、この中にあって、上記の戸山2丁目地域は40.4%、百人町4丁目地域に至っては52.2%と、驚くような高い数値を示している。
 日本の少子高齢化社会の未来図ともいえるような両地域であるが、その住環境がこれほど高い数値を読み解く鍵となる。